Sakumi節(ブシ)炸裂です。
「朝の音」
ぼくは、おきていた。目をぱっちりあけた。急に目が覚めたのだ。こういうことはしょっちゅうある。ぼくは、さぐるようにして手をまだ暗いやみの中で動かし、自分の目覚まし時計を見つけ、時計の明かりをつけた。まだ四時だった。
ぼくは、また目をしずかにとじた。しかしなかなかねつけない。がばっとふとんから起き上がった。すこし考えて、げんかんの近くのまどに行ってみた。外はまだうすぐらい。六月の朝はひんやりすずしく昼まの気温とはちがっていた。ぼくは一度大きく深呼吸をした。冷たいひんやりした朝の空気が体の中に入っていく。こうするととても気持ちがよくてすがすがしい気持ちになる。さて、またふとんにもどろうとしたら、ふと家にあるハンモックが目にとまった。ぼくは、
「ハンモックでねてみるのもいいかもな。」
と思って、ハンモックによっこらしょと体をおろしてねっころがった。ふとんはあつくるしいがここはとてもすずしくてきもちいい。
外を見ながらぼくは目をとじた。いろんな鳥のさえずりが聞こえる。ホーホケキョと森のおくでうぐいすの声がこだました。それからいっせいに、ピロロロ。ピーピーと鳥のさえずりが耳にとびこんできた。ぼくは、ふと森の中にいた。歩いていくと鳥のさえずりがきこえ、サラサラと小川の音もきこえた。ぼくは、森の中をずっと歩いてその音を楽しんだ。
そっとまぶたをもちあげた。そして、体をおこし庭を見てみた。まだ外はうすぐらく庭の木もぼやーっとみどりがみえるだけだ。ずっと見ているとだんだん明るくなり木もわか葉のみどりもまぶうしいくらいに目にとびこんできた。
「うわー。」
思わず感動の声をあげた。まえにもこんなのを見たことがある。そうそう、まえの夏休みのときだ。あのときも早起きして森をみてたんだっけ。あのときは、ひぐらしが鳴いてカナカナカナ―という音でもう夏も終わりという気がして悲しんでいた。ぼくはそうやってまえのことを思いだすと、またまぶたがおもくなりぐっすりねた。
朝、トントンというほうちょうの音で目が覚めた。もう外はすっかりあかるくなっていて、太陽の光がさしこんでくる。ぼくは、重い体をゆっくりおこした。朝早く起きて見たこう景が昔のことのようにかんじる。ぼくは、はっとわれにかえりいそいでばたばたと食たくへかけていった。
学校にいるときも、ふと思った。また見たいな。そう思って、まどの外をながめた。
外では太陽がきらきらかがやいていた。