「フィールドオブクラフトin倉敷」、ありがとうございました。そして京都ギャラリーひたむきさんで「真泥 展」始まっています。

12,13日に開催されました「フィールドオブクラフトin倉敷」には本当に多くの方々にお越しいただきありがとうございました。土曜日はとっても暑く、日曜日は雨の降る肌寒い日でした。
そんな中、足をお運びいただきましてありがとうございました。
参加させていただくのも4回目になり、倉敷の美観地区にある郷土玩具館さんのプラスワンギャラリーで展示会を開催していただいたこともあり、多くのリピーターさまにお越しいただきとても嬉しく思っています。
今どきの中学生は「職場体験」というカリキュラムがあり、それならばリアル職場体験になるのでは、と今回は中2の息子に手伝ってもらいました。いつもは思春期、反抗期の息子ですが、次々いらっしゃるお客様の前では、もくもくと梱包作業に徹してくれました。
今までで一番きつい経験だったそうです。自分を押し殺して我慢して100%で頑張ってくれたそうです。お越しくださった皆様には温かい目で見守っていただきありがとうございます。
ちなみに、昨日、今日は中学校の「職場体験」で息子は地元のスーパーにお世話になりました。
スーパーといえば、村山と、服部が出会ったのが、有田にあるスーパー松葉屋のバイトでした。息子よりジュース補充や前出しの作業のことを聞き、懐かしくなりました。

そして、16日昨日より、京都のギャラリー直向さんで「真泥 展」始まっております。
服部、村山あわせて500点ほどご紹介していただいております。
5/20(日) 服部 5/27(日) 村山 には在廊いたします。
皆様にお会いできるのを楽しみにしております。

さて、窯焚き、倉敷、京都の合間に忙しくしています。
ご近所さんから、すばらしいいただきものがたくさん。

すばらしい建具

ミルク缶

金具が上等な和箪笥。と昔の水筒。

焼き物屋として見捨てられなかった壺や甕。

仕事が丁寧な上品な本棚。

窯焚きの材料にもなる100年前の廃材。

由良川の氾濫に何度も浸かった隣の谷の家。
壊すと聞いて何度も足を運びました。
ほれぼれするセンスの大工仕事。
田舎家らしからぬ、なんとなく町家っぽい雰囲気。
施主も大工さんもオシャレだったんだろうな。色々なものが惜しくて、使うあてもないのにいただいてきてしまいました。
箪笥は、娘の同級生のお家から。写真の他にも素敵な箪笥をたくさんいただいてきました。
焼き物でこんな仕事ができるように、ちょっと目標が見えました。

 

 

 

 

窯焚き 2018春

気持ちのよい季節です。
冬に作りだめた器を春に焼きます。
真冬は釉薬掛けが大変なので、春に窯焚きをすることにしています。

早朝に火入れ。
交代で窯の火の番をします。

最初からグングン温度を上げて昼前には950℃。還元に入ります。
ダンパーを開け、空気で煙突を塞ぎ、窯に圧をかけます。
横の吹き出し穴2か所、前に1か所を開け、炎の様子を観察します。

夕暮れ時。空の色と煙突の炎の赤のコントラストが美しい。

温度上昇は順調。
窯横の空気調節穴。レンガのほんのわずかな移動で空気の量が変わります。

1210℃で還元焼成から酸化焼成に戻します。
穴をふさぎ、全て窯の中の空気の流れは、一気に煙突へ。
そろそろ窯焚きも終わりが近づいてきたので、二人で止め時を調整します。

温度計も見ながら1250℃を1時間半くらいキープします。
最後の判断は色見。

この春の窯は2回とも、とても順調な窯焚きでした。
焼き上がりもgood。

焼き物をすると決めた時から、薪窯で焚くということだけはなぜか決まっていました。
なんでかな。焼くのが面白い。
作り続けていて色々迷いはありますが、この窯のおかげで、作るものや精神的なことも含め、よりどころがある気がします。大きく外れることはないでしょう。
薪の窯は準備も含め大変です。今回も入りきらなかった器がたくさん。でもすぐに次の窯が焚けるわけではありません。作る時も、窯詰めの時も欲望の塊ですが、窯焚きになると全ての執着心が消え失せ、なるようにしかならないさ、という気持ちになります。
このリセット感が次の窯へとまた気持ちを新たにさせてくれます。

お陰で窯焚きの材料の廃材もいい具合に手に入ります。
100年以上前の立派な家の柱や梁を燃やして器を焼いています。樹齢だと300年前ほどでしょうか。
そう思うともったいない失敗はできないなと思います。

 

 

 

去年の春に初めて出かけた家族旅行。
それが楽しかったので、今年も。
コースはMahoと服部くんが決めてくれました。
ちょっと欲張りすぎて行けなかったところもあるけれど。
旅行のしおりはMaho作。
計画が好きな人がいると旅行も楽ちん。
でも、山や城や岩や坂道を登るばっかりのコースなのはなぜ?
足腰がガクガクになったけど、心はリフレッシュ。3日間、仕事のことが頭から離れていました。

どこもよかったけど、一番は足摺宇和海国立公園の岩。
自然にはイサムノグチさんもかなわないと思いました。

若いときは、時間たっぷりの気ままな旅をたくさんしたけど、こうしてみんなで行く家族旅行は今しかできない貴重な旅。歳とともに旅の仕方も変わっていくものだとしみじみ感じました。

さて、舞鶴に戻ってきて、窯たきまであと1か月。旅行に行く前は焦ってばかりいたけど、なんだかちょっとドーンと構えられるようになれた気がします。坂本竜馬、ジョン万次郎、牧野富太郎。土佐の人はでっかい。

しばらくお休みしていたインスタグラムも、タブレットはさよならしてしまったのですが、パソコンからupできることがわかったので、再開しました。こちらは服部がやってます。
こちらもよろしくお願いします。
https://www.instagram.com/muddy.kh/?hl=ja

 

 

へしこ

今年もへしこを仕込む季節がやってきました。
今年はfondinさんと。
鯖を40㌔、ひたすらさばくのは、男二人。
そして、内臓や血合いを洗い、水分をふき取って、塩をすり込みます。
うちでは、有田にいた時から塩といえば五島灘の塩。なぜならば五島はおばあちゃんの故郷だから。スーパーで手軽に買えます。お手頃価格。
有田から舞鶴に引っ越しても、手に入ります。
偶然にもfondinさんも商品は違ったけれど菱塩さんの五島の塩でした。
塩は大事。

さて、1週間がたちました。塩漬けした鯖はどんなかな~?
汁があがってきています。

鯖を取り出し、汁と、糠と鷹の爪そして今回は麹を混ぜてみたそうです。すべて服部君の仕事です。私は時々写真撮影。

鯖と糠どこを重ねて。これで10月まで待ちます。
今年で3回目になるへしこ作り。近所の方に教えてもらったレシピです。
なぜだか、服部君が作ったのは美味しい。時間をかけて熟成しているからでしょうか。
五島灘の塩でしょうか。
綾部の親の向かいのおじさんが作っているお米の糠のおかげでしょうか。
それとも服部菌?

発酵食品は不思議です!!!

 

 

 

 

GALLERY SUN MOON 東舞鶴

東舞鶴の GALLERY SUN MOON 。
オーナーの佐藤さんの「街に文化を、心に豊かさを」との熱い想いで、20年続けていらっしゃいました。今月20日で、閉廊されます。
真泥も展示会をさせていただいたことがあります。
ここに来ると、本物の絵があります。私は絵は疎く、画家の名もほとんど知らないのですが、なんていうか、見れば見るほどおもしろい。色んなタイプの絵描きさんがいて、見比べて色々考えているだけでおもしろいのです。自分の好みの作家が決まってくるのも本当に不思議なことで、言葉ではなく直観なのですが、その「好きだ。」という思いはどこから出てくるのだろうと思ったりします。
我が家には絵がなかったのですが、服部の父が絵画を少し集めていて、それを遺産としていただきました。それから部屋に飾るようになりました。季節や気分で絵も色々変えられるくらい集められるといいな。今までは中々、「絵」は買えませんでしたが、というより買うものではないと思ってましたが、最後に何か記念にいただこうかな。そう思うと、あれも好きだったぞ、これも好きだったぞ。
本当に貴重な場でした。きっと佐藤さんには、また別の場所でお会いできると信じておりますが、この場所では最後。20日までです。たくさんたくさん絵画があります。皆様もぜひぜひ行ってみてください。

 

 

アイデア

もともと服部さんは、想像力が豊かなタイプです。
いつもひとりごとを言っています。
焼きものつくりのアイデアがつきることは、なさそうです。

私は現実的なタイプで、あんまり想像の羽をはばたかせることができません。
ないものをひねり出して作ってます。

真泥は最初から地域の器屋さんになりたいという思いではじめました。
蔵をギャラリーにし、年に一度、自宅展を開催したりしてきました。窯や工房も案内します。
作るのに忙しいときは、正直なところ「誰も来ないで。」と思うこともありますが、やはり知っていただきたいと思いで、ウェルカムです。
そして、市(いち)などでのお客さんとのやり取りも楽しみです。
どこにヒントがころがってるかわからない、どこから新しいご縁がつながるかわからないという気持ちがあります。服部も私の両親も商売をしていたから、身に沁みついているのでしょうか?

お客さんやお店の方とのやりとりでできたもの。

woodwork olior の婦木さんから。「服部さん。ランプシェードとか作ってみて下さいよ。」

京都ギャラリーひたむきさんのお客様から。「アメリカ LA にオープンする日本料理屋で使う醤油差しを作ってほしい。」

お客さんから。「服部さん、カレー皿作ってください。」見本までお借りしました。

娘が遊びで作った小さなお皿から、いいサイズやん。それいただき。豆皿箸置。

友達から。「ともちゃん。このちっこいのよりもう少し大きいサイズ作ってーな。冷ややっことかのせれるやつ。」

熊本のうつわやさんから、このタイプの碗をみて、「この感じでマグカップもできませんか。」

なんとなくのやりとりが心に残っていて、ふと思い出して作ってみる時もあります。
人とのやりとりは、それだけでどんどん次につながっていく大切な機会です。
どうやったって自分らしさは出てしまうので、それにお客さんの希望を足して。
個人の小さな焼き物やさんって、そんな細かな要望に応えていくのがおもしろいです。

 

白雲窯 Hakuungama web site

白雲窯(私の両親)のweb siteができました。
http://hakuungama.com/
父は73歳、まだまだ現役で新しいアイデアもたくさん。
今は田舎暮らしが流行っていますが、まだ高度経済成長期のころ、皆が都会を目指していたころ、35年前に全く縁のなかった京都府綾部市に引っ越してきました。
今のように情報がたくさんない時代、自分たちで考え、生き方を創ってきました。信念を持って、焼きものつくりと田舎暮らしを楽しんできました。
彼らの生活から刺激を受けること、学ぶことはたくさんあり、昔から今でも色んな人が白雲窯へ訪れます。もっと多くの方に知ってもらえますように。

昔話にでてきそうな、築100年以上の家。
自分たちで改装しながら。やきものよりもそちらへのエネルギーのほうが多かったんじゃないかと思うくらい。土方仕事も、水道工事も、大工も、左官仕事も。なんでもやってました。
家のなかも素敵なので、ぜひ訪ずれてみてください。

 

冬の楽しみ

この冬は舞鶴の上空を雪雲は過ぎ去っていたのですが、やっぱりやってきました。今日は30センチくらいでしょうか。まだまだ降り続いています。
娘と夫がインフルエンザになり、なぜか毎年風邪もひかない私は(馬鹿は風邪をひかぬといいます。)なんとなく損した気分になりながら、雪かきを一人で楽しんでいます。この雪のシンとした感じ、ひと冬に一度は味わいたい。

さて、焼きもんやとしては恥ずかしながら、今さら、土鍋ごはんデビューしました。数年前に1250度でも焼ける土鍋土を多治見の土本さんにわけてもらって、服部が土鍋を作りはじめました。作ったからには煮込み鍋、ポトフ、おでん、肉じゃが、ロールキャベツ、色々活用しています。土鍋ご飯は、服部はもうとっくに前から炊いていたのですが、私は難しそうだなーと敬遠していました。親からもらった上等な炊飯器が壊れて、とりあえずは安い炊飯器を買ったのですが、ご飯がまずい。特に冷ご飯がまずい。仕方がない、土鍋を使ってみるか。これが意外と適当、簡単、早い。ご飯がおいしい。

北欧の冬がどんなだかは知らないけれど、山陰の太陽の光をみない日が数か月も続いたようなものなのかもしれません。そんな日が続くとやっぱり、快適な家の中で手仕事に勤しむのが、一番の楽しみになります。私の綾部の親の家の向かいのおじさんは、若いころは農閑期の冬に自分が着る着物の生地を機で織っていたそうです。北欧や冬の長い地域で手仕事が盛んになるのがわかるような気がします。
服部がインフルエンザで寝ている間に、我が家の犬マロは、家に作業場に進出してます。だって外は寒いんだもん。薪ストーブのそばでウットリしているマロを見ながら仕事をしていると、幸せだなーと思います。
雪の日、炊きたて土鍋ご飯、薪ストーブと犬、寒い冬の日のささやかな楽しみです。